キミの次に愛してる【BL】


「これって……」

 義兄の部屋に掃除機をかけていた僕は、義兄の仕事用のデスクに置いてある物を見て手を止める。

 それは、写真が入っていると判る台紙で。

 綺麗な花柄の表紙に、洒落た金色の英文字が入っていた。

「お見合い写真、だよね……」

 触れかけて、手を止める。

 僕が部屋を掃除するのを判っていて、こうしてしまわずデスクの上に置いてあるという事は、たぶん、見られても構わないと思っているんだろう筈で――。

 開けてチラリと中の写真を見ても、きっと義兄は怒らないだろう。

 それに例えば。もし見たとしても、僕が黙ってさえいれば、そもそも義兄にバレる事もないように思えた。



 ――けど。



 見れる筈がない。





 僕は掃除もそこそこに、堪えられずに義兄の部屋から出た。
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