「仕事に行きたくない」と婚約者が言うので
「わかった……」
 そこでマンフレットは渋々と承諾する。
「仕事に行きたくないって騒げば、ヘラルダが僕を宥めるために部屋に来てくれるからだよ。本当は、毎朝、ヘラルダに抱き着いてから、仕事に行きたい」

「そうだったのですか。でしたら、素直にそうおっしゃっていただければ」
 マンフレットも男性であるから、少々のそういった欲求は仕方のないことかもしれない。

「言えるわけないでしょう。朝から、ヘラルダのおっぱい揉ませてなんて」
 抱き着きたいが、いつの間にか、ぱい揉みに変換されている。だけどまだ、乳は揉まれたことが無い。

「私は、マンフレット様がいじめられているのではないか、と心配しておりましたので。そうでなければいいのです」

「じゃ。騎士団に行きたくない理由が、ヘラルダと一緒にいたいから、ヘラルダとチューしたいから、ヘラルダのおっぱい揉んで、あわよくばあんなことやこんなことしちゃいたいから、っていう理由でもいいの?」

「はい。マンフレット様に何事もなければ」

「相変わらずヘラルダは優しいね。僕の我が儘を全て受け入れてくれる。だからこそ、僕もヘラルダの我が儘を聞きたい」

< 13 / 23 >

この作品をシェア

pagetop