闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
***


「なあ、片桐さんって帰国子女なんだろ? 外国語とか話せんの?」

「えっと、そこまでは……結構転々としていたし、十五歳までは日本人学校に通っていたし……日常会話が少し出来るくらいかな」

「元々この辺りに住んでたの? 家ってどの辺?」

「え? いや、元々は別の場所で……この辺りは初めてなの」


 始業式も終わって先生が来るまでの間、私に興味を持ってくれた数人のクラスメートにたくさん質問を投げかけられていた。

 ただし、それは男子ばかり。


「何あれ、早速男はべらせちゃって」

「感じ悪いよね」


 男子の人垣の向こうからそんな女の子の声が聞こえる。

 確実に女子から反感を買っていた。


 うう……私だってこんなつもりじゃあ……。

 誰か一人でも女の子が話しかけて来てくれればその子と話すのに。
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