闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
「あなたの血液を調べて分かったの。……あなたには、吸血鬼の血が入れられているって」

「……え?」

「それも自然と消えてしまうような少量ではないわ。あなた自身を吸血鬼に変えてしまう一歩手前くらいの量よ」

「………………え?」


 今度はしばらく間を空けてみても理解出来る気がしない。

 というか、したくない。

 でも、胸のざわめきがそのまま焦燥となって、頭より体が先に理解した。

 私のこの体に、吸血鬼の血が入っている。

 しかも、吸血鬼に変わってしまう一歩手前ということは……。


「つまり、今のあなたはヴァンピールになってしまう直前の状態ということよ」

「っ⁉」
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