闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
 逃げなきゃ! と、さっきよりも強く思ったのに、遅かった。


「っ! あ……れ……?」


 大橋さんと目が合うと、頭がボーッとしてきて何も考えられなくなってくる。

 何だろう……まるで催眠術でも掛けられたような――。

 思考する力が抜けていく中、最後にそんなことを思った。


「恋華さん、君は真理愛を見つけ出すための有力な手がかりだ。ついて来てもらうよ」


 意識がハッキリしない中、大橋さんの嬉し気な声が聞こえた。
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