それ行け、ぽっくん!!
帰り道。

塩野さんは少しだけ自分の過去を教えてくれた。

大学在学中に声優の養成所に行って、大学を卒業すると同時に声優になるのが夢だった。

でも、親にバレて、大学を卒業したらすぐに帰省して地元で、親の仕事を継ぐように言われた。

それがイヤで。

当時公務員だった郵便配達の仕事を選んで試験も1回でパス。

ま、親もこれなら怒るわけにいかなくて。

今に至る。



「意外だねー」

ボクが驚きながら言うと

「オレにも夢を追いかけた時期があるんだよ」

塩野さんは。

本当に切なそうに言った。
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