それ行け、ぽっくん!!
「ひょっとして、ウチのおばあちゃんとよく話をしてくれた郵便配達の女の子ってあなたかしら?」

その女性は、ボクに向かって優しい笑顔を投げかけた。

「…えっ?」

涙が出そうなのを必死に堪えていると。

そういう事を言われてボクは顔を上げる。

「おばあちゃん、いつも配達の子と話をするのを楽しみにしていたのよ。
楽しそうに私に…私はおばあちゃんの娘なんだけどね。
いつも電話で話をしてくれて…」



…そうだったんだ。



「本当にありがとうね」

ボクは首を横に振って

「お…お礼を言うのは、こちらの方です。
おばあちゃんにはいつもよくしてもらって…」

頭を下げるのが精一杯だった。
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