それ行け、ぽっくん!!
どういう事…?



「なんで、帰るの?」

「…家の仕事を継ぐから」

言いたくなさそうに塩野さんは言った。

こんなに辛そうな塩野さんを見たのは初めてだった。

「父親が、危ないんだ。
だから…」

あんなに嫌がっていた家に戻るんだ…



「塩野さんはそれでいいの?」

聞いてはいけない事。

それはわかっていたけど、聞かずにはいられなかった。

「…いいんだよ」

そんな、切なそうに笑わないでよ。

胸がいっぱいで、張り裂けそうだよ…
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