初恋の記憶〜専務、そろそろその溺愛をやめてくださいっ!〜
「専務…。気付いていらっしゃったんですね」
「当たり前だ。ここのところ夕飯に誘ってもロクに食っていなかったからな。会社でも昼飯食べてなかっただろう?」
「…上司に気遣われるようでは、わたし、まだまだですね」
そう言いつつも内心は専務にそこまで気遣われてとても嬉しかった。
専務もまんざらでもない顔で微笑んでくれる。
「わたし、専務の秘書になれて幸せです」
ホクホクした気持ちを抑えられなくて、日頃は恥ずかしくて言えない事も今なら言えちゃうなぁ。
専務が眼を見開いてわたしを見ていたなんて気付きもせずに、いつの間にかわたしのもとに置いてあるお水を一気にごくごくと飲み干した。
ーーが。
「っ、井上くん!それは水じゃなくて酒ーーっ、」
ぐるりと視界が暗転したかと思ったらそこでわたしの意識はブツリと途切れた。