100回生贄として殺されたので101回目の転生では幸福な人生を願って令嬢になったけれど何故か元凶が偏愛してくる
第一章 101回目の転生くらい幸福で愛される人生を味わいたい。違う、違う、そうじゃない



あれは何度目の転生だっただろう。

五年に一度、生娘を龍神に捧げる儀式の花嫁として私は選ばれた。
海が荒れれば船を出せない。
海を荒れさせるのは龍神のお怒りによるものだと人々は信じていた。
だからその龍神を鎮めるため花嫁は必要だった。

本来その花嫁は海に近い大きな村の村長の娘がその役を担うはずが、その娘に突然の妊娠発覚。
まぁ以前から生贄を逃げるためによくある事ではあった。

慌てて他に代役をと近隣を探し、唯一見つかった適齢期の生娘は私だけ。
貧乏な親は多額の報酬と引き換えに、私を花嫁という名の生贄に喜んで差し出した。
最初で最後に着た美しい花嫁衣装には大量の石が入れられ、私は船の上から男達に担がれ海へと投げ入れられた。
ありがたいと祈りを捧げる人々の声を聞きながら。

これはその後の事だったが、もちろん転生した回数は覚えていない。
住んでいた小さな街で伝染病が広がった。
理由がわからない。
どこからか悪魔の仕業では無いかという噂が広がった。
そこで目をつけられたのが私。
唯一街の中で珍しい目の色が黒だった、それだけが理由。
黒の目は珍しく、悪魔が人に紛れ込んでいる、その目が証拠だと言ったのは誰だっただろう。
街から病魔を呼び込んだ悪魔を祓うのだと広場で私は木にはり付けられ、火あぶりで殺された。
あの、恐ろしいものを見るような人々の目が忘れられない。

王女だったこともあった。
一度も城の外に出されることも無く、何人もの子供の中に埋もれ忘れられたのか城の中にいても不自由な日々。
民の不平不満に腹を立てる国王、国の厳しい財政も気にせず贅沢をする妃達。
そんな私が外に出られたのは、民衆に王族は打ち倒され処刑の順番が来たときだ。
美しかったドレスは無残に脱がされ、身に纏うのはぼろい布一枚。
手入れされていた長い金の髪は処刑するために短く切られた。

私はこれまで何度も転生したが、16歳まで生きられたことが無い。
そして死の直前に思い出すのだ。
何度も何度も私が殺された過去を。

『あぁまた今度もなのね。
今回は15歳の誕生日すら迎えられなかった。
私は一体、何度殺されれば良いのかしら』

民衆の大歓声が響く中、鋭い刃物が私の首めがけ、落ちた。


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