【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
 私はまさかねぇ、と思いながら聞いたんだけれど……。


「ああ。まあ、先生達も利用するけどな」

「……」
「……」

 私と愛良は最早言葉も出ない。


 でもまだこれは序の口だったようだ。続く津島先輩の説明に驚きの連続になる。

「あとは寮かな。一階つながってるけど、二階からは男子棟と女子棟に分かれてる。全部個室で、トイレ付き。各階にシャワー室、ランドリー、ああそうそう数台の自販機もあるな」

 何だろう、それはもうちょっとしたホテル並みなんじゃないだろうか。

 大体学園の寮なのに個室とか凄すぎだし。


「それにな……」

 ニヤリ、と一際得意げな笑みを浮かべた津島先輩はもったいぶったようにゆっくりと最後の一つを口にした。


「地下一階には温泉もあるんだぜ?」

「!!!」

 温泉。
 その言葉に大きく反応したのは愛良ではなく私だった。


「何か建設当初は作る予定全く無かったんだけど、掘ったら温泉が出て来たとかで、それなら作らなきゃもったいないって出資者の一人が言って決定したらしい」


 その出資者の人に感謝!


 感動に打ち震えている私を愛良が生暖かく見守っているけど、そんな視線も気にならない。


「その温泉って有料ですか? だとしたらいくらくらいで? あ、あと利用時間ってどれくらいですか?」

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