【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
2.城山学園

VとH

 ゆっくり意識が浮上して、薄く目を開けるとまだ慣れない天井が見えた。

 少しそのままボンヤリしていたけれど、思い切って布団から腕を出してグーっと伸びをする。


「んぐぐーーー!……よし!」

 そうして完全に目覚めた私は、身支度をする為にベッドから降りた。



 早いもので、土日の休みも終わり今日は城山学園初登校の日だ。

 土日はデパートに連れて行って貰って、必要な物を買い足したり。
 寮や周囲の場所を案内して貰って終わった。


 田神先生やみんなにはホントに良くしてもらってると思う。
 零士以外。

 何があれば便利だとか教えてくれたり、あの店のサンドイッチが美味しいとか案内してくれたり。
 零士以外。

 ホント、感謝するしかない状態だ。
 零士以外。


 こんなだから今のところ不満と言えるような不満は無い。
 零士以外。

 でも、零士以外で敢えて不満を言う事があるとすれば……。


「なんっで温泉入っちゃダメなのよー」

 つい声に出してしまう。
 でも誰も聞いていないんだから良いとしよう。


 先生を含めみんなの話では、女風呂だと当然ながら付いていくことが出来ず、守ることが出来ないから入らないで欲しい。
 との事だった。

 誰か信頼の出来る女生徒が一緒に入ってくれるなら良いと言っていたけど……。


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