【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

呼び出し目撃

 クラスメイトや他のクラスの生徒達から珍獣のように遠巻きにされ、不躾(ぶしつけ)な視線を送られながらも今日の授業が一通り終わった。

 中等部では愛良もこんな感じなんだろうか。
 私は一人じゃちょっと耐えられなかったかも知れない。
 ほぼ常に一緒に居てくれた嘉輪のおかげだ。

「見てるだけの奴らは無視すれば良いのよ」
 と言って、私が気にしないように話しかけてきてくれていた。
 おかげで何とか無事に1日目の学園生活を終えられそう。


 授業も前の学校より進んでいるものは無かったし、人間関係以外での不安はほとんど解消された。

 人間関係は言わずもがな……。


 あの後他のクラスメイトも良く見てみると、同じクラスに石井君が居た。
 あれだけ背が高いのに、私に対して無反応だった上に話しかけても来ないからすぐには気付けなかった。

 気付いてから目が合った時に軽く会釈(えしゃく)すると、会釈を返してくれただけで他の反応は無い。
 学園内では特に関わろうとはしないって事かな?

 そう思って私の方からも積極的に話しかけようとはしなかった。


 ちなみに移動教室の時にチラッと見えたけど、零士は隣のクラスだった。
 同じじゃ無くてホンッッッッッットに良かった!
 田神先生が気を利かせてクラスを分けてくれたのかも知れないけれど。


< 172 / 741 >

この作品をシェア

pagetop