【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

H生と“花嫁”

 そんな出来事もあって、婚約者候補の人達とはギスギスした状態で日々が過ぎて行った。


 学園ではどこから話が漏れたのか、私が岸を選んだこと。

 そして私が岸の“唯一”であることが噂として広がっていた。


 学園内の意見としてはほぼ二つに分かれる。



 違反行為まで犯して学園やハンター協会から追われてるような奴を選ぶなんてどうかしてる。

 いくら“唯一”でも認めたくない。


 という私にとって否定的な意見と。


 どんな相手でも“唯一”なら仕方ないよね。

 運命の相手ってことでしょう? 両想いなら邪魔するのは野暮ってやつじゃない?


 という肯定的な意見。


 ハッキリどっちとは言えなくても、このどちらかよりにはなってる感じ。


 愛良と零士の血婚の儀式もあと一週間ほどとなって問題が少なくなってきた。

 そしてH生への取り調べもひと段落ついたということで、私のことが話題の中心になってしまったのも噂が広まった原因かもしれない。


 一部の三年生が私が岸と逃避行するかどうかを賭けにしていたとかで、先生たちにこっぴどく叱られたなんて話も聞いた。

 それを聞いたときは本気で怒りたくなったけど。

 まあ、そんな様子だから田神先生達とはあの日以来まともに話をしていない。

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