男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される
サラッと手紙に目を通しカイルは言う。
「早くこれを渡してくれたら良かったのに、何を躊躇していたんだ?」
低く響く声で、しかし優しげに問う。
「見ず知らずの僕みたいな子供に突然お願いされても、困る内容だと思ったので…
隣国の誰もが恐れる騎士団長殿にお願いするのはおこがましいのではと躊躇してしまいました…。」
「ハハッ、子供が何を遠慮する。」
カイルに笑い飛ばされ、今まで躊躇していたのは何だったのかと力が抜ける。
「実は、ボルテ公爵の事は気になっていた。
あんな心優しくおおらかな方が謀反の罪で投獄されるとは、何かの間違えでは無いかと陛下と相談し意見書を提出したのだ。
しかし、回答書には明らかな証拠と証人がいると、他国の口出しは一切不要と書かれていた為へたに動けなくなってしまって、国王も争い事は好まぬとそれっきりとなっていたのだが…。」
「ここだけの話しだが…
ボルテ公爵が幽閉されている場所を特定する為、密偵を放っている。
公爵に会えるまで帰ってくるなと言ってあるので近々連絡が来るのではと思う。」
えっ!!とサラは目を開いて驚く。
それほどまでに知らない所で父の為に動いていてくれた人がいたのだと…。
「ルイ殿とは一度酒を酌み交わした事がある。国内では密偵が厳しく張っていたはずだから、ルイ殿も身動きが取れず、歯痒い思いをしていたのだろう。」
ルイの事まで察してくれる。この人の懐の深さを知ってなお驚く。
「うちの国王は意外と柔軟な男で、秘密裏に動くなら自由にしていいと言われている。
リューク殿が気に止む事ではない。」
サラがカイルを巻き込む事に躊躇していた事さえもお見通しだったのだ…。
「カイル騎士団長殿には何て、お礼を伝えればいいか…頭が上がりません。」
「俺はまだ何も出来ていないぞ。
俺は俺の意志で動いている。
リューク殿が責任を感じる事は何もない。
とりあえずはボルテ公爵の近況が分からなければ何も始まらない。」
カイルは言う、
この二年間どんなに最善を尽くしてもボルテ公爵の居場所さえ分からず、それに加え国内で起きた少数民族との争いで竜騎士団が忙しく、手が足りず動けなかったと…
やっと平和が訪れたのが半年前。
再度密偵を送って探ってみたが、見えない敵に拒まれて情報収集が上手くいかず、場所の特定さえ出来なかった。
しかし、やっとここ数日動きが見えて転機が来た。
「戦には動き出す時がある。
どんなに掻き分け進もうとしても、何処にも辿り着けなかったのに、突然視界が良くなり目指す物が見えて来る時が。それが今だ。」
と、誰が父を陥れたのか犯人を見つけ出し真相を暴き、父を救い出すとはっきりサラに伝えてくれた。
「リューク殿がこちらに出向いてくれたのが良い口実になりより動き易くなる。
ただ、宣誓布告する分、敵からの火の粉が降って来るはず、貴方を守る為しばらくこちらに滞在願いたい。」
「早くこれを渡してくれたら良かったのに、何を躊躇していたんだ?」
低く響く声で、しかし優しげに問う。
「見ず知らずの僕みたいな子供に突然お願いされても、困る内容だと思ったので…
隣国の誰もが恐れる騎士団長殿にお願いするのはおこがましいのではと躊躇してしまいました…。」
「ハハッ、子供が何を遠慮する。」
カイルに笑い飛ばされ、今まで躊躇していたのは何だったのかと力が抜ける。
「実は、ボルテ公爵の事は気になっていた。
あんな心優しくおおらかな方が謀反の罪で投獄されるとは、何かの間違えでは無いかと陛下と相談し意見書を提出したのだ。
しかし、回答書には明らかな証拠と証人がいると、他国の口出しは一切不要と書かれていた為へたに動けなくなってしまって、国王も争い事は好まぬとそれっきりとなっていたのだが…。」
「ここだけの話しだが…
ボルテ公爵が幽閉されている場所を特定する為、密偵を放っている。
公爵に会えるまで帰ってくるなと言ってあるので近々連絡が来るのではと思う。」
えっ!!とサラは目を開いて驚く。
それほどまでに知らない所で父の為に動いていてくれた人がいたのだと…。
「ルイ殿とは一度酒を酌み交わした事がある。国内では密偵が厳しく張っていたはずだから、ルイ殿も身動きが取れず、歯痒い思いをしていたのだろう。」
ルイの事まで察してくれる。この人の懐の深さを知ってなお驚く。
「うちの国王は意外と柔軟な男で、秘密裏に動くなら自由にしていいと言われている。
リューク殿が気に止む事ではない。」
サラがカイルを巻き込む事に躊躇していた事さえもお見通しだったのだ…。
「カイル騎士団長殿には何て、お礼を伝えればいいか…頭が上がりません。」
「俺はまだ何も出来ていないぞ。
俺は俺の意志で動いている。
リューク殿が責任を感じる事は何もない。
とりあえずはボルテ公爵の近況が分からなければ何も始まらない。」
カイルは言う、
この二年間どんなに最善を尽くしてもボルテ公爵の居場所さえ分からず、それに加え国内で起きた少数民族との争いで竜騎士団が忙しく、手が足りず動けなかったと…
やっと平和が訪れたのが半年前。
再度密偵を送って探ってみたが、見えない敵に拒まれて情報収集が上手くいかず、場所の特定さえ出来なかった。
しかし、やっとここ数日動きが見えて転機が来た。
「戦には動き出す時がある。
どんなに掻き分け進もうとしても、何処にも辿り着けなかったのに、突然視界が良くなり目指す物が見えて来る時が。それが今だ。」
と、誰が父を陥れたのか犯人を見つけ出し真相を暴き、父を救い出すとはっきりサラに伝えてくれた。
「リューク殿がこちらに出向いてくれたのが良い口実になりより動き易くなる。
ただ、宣誓布告する分、敵からの火の粉が降って来るはず、貴方を守る為しばらくこちらに滞在願いたい。」