男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される
バサァーっと風が巻き起こり一頭の白い竜が目の前に降り立つ。
「まったく…。
お前に会いたいと客人が来たんだ。
少しは行儀良くしてくれ。」
サラを掴んでいた手が緩んだとたん、急いでサラはカイルから離れブルーノの背に隠れる。
ブルーノはサラを隠す様に身体を丸め匿ってくれる。
「リューク殿申し訳ない、怖がらせたか?」その姿を見てカイルは謝る。
「…い、いえ。びっくりしただけです…。」
真っ赤になった頬を隠そうとしただけだったがそう言って動揺を隠す。
「ハク、青い竜ブルーノだ。
お前よりかなりの年長者だ、ちゃんと敬えよ。」
カイルはハクに言い聞かせる。
竜に上下関係があるのかは疑問だが、どうやらハクも大人しくその場に座りこちらを見ている。
「餌でもあげてみるか?」
中央付近の水飲み場の近くに餌箱がありまだ手付かずに置いてあった。
「今日は多めに餌を置くように伝えたからブルーノも食べていいぞ。」
カイルの何げ無い気配りにサラはさすがだと感心する。
こんな人にときめか無い女子なんているはずがない。きっと誰もがほっとく筈は無いし、婚約者くらいいるんだろうな…
こんな時に心奪われちゃ駄目よ…サラは自分に言い聞かせる。
「わざわざありがとうございます。」
気持ちを整え、ブルーノから離れたサラは餌箱からりんごを一つ手に取り、ハクに差し出してみる。
「初めまして。ハク、とても綺麗な鱗だね。キラキラ輝いてまるで宝石みたい。」
ハクにそっと話しかけた。
ハクはジッとサラを見ていた。
カイルは、ハクがまた悪戯しないよう手綱を掴む。