男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される

「カイル団長ならば貴族同士のしがらみも無く、常に両立の立場でおられる信頼における人物です。」

「ルイはお会いした事があるの?」

「はい。2、3回程、王主催の晩餐会でお会いしました。とても率直で聡明な方でした。

その晩餐会で、カイル団長が孤児院で育った平民の出と言う事を、下に見る貴族が数人で彼に聞こえる様に嫌味を言っていて、それは聞いてるこちらもイライラするほどでした。
それに対して堂々と対応していた姿が今でも忘れません。

私も平民の出ですから、まるで自分の気持ちを代弁してくれたかの様な発言は、清々しく誇らしく思いました。

彼の国を思う熱い想いを知り共感し、この方が本来国を率いるべきだと思うほどに。
随分年下にも関わらず、カイル団長の話しに引き込まれました。」

こんなにもルイが絶賛する人物に会ってみたいとサラも思った。

ルイは早速カイル宛に手紙を書き、その手紙をカイル団長に直接渡す事を提案する。




「お嬢様1人で隣国に入るなんて危険過ぎます。どうかこのルイもお供にお付けください。」

先程から何度も何度も繰り返す。
ルイは自分も当然一緒に行くつもりでいた。

「大丈夫よ、ルイ。
ブルーノだって一緒よ。いつも空から私を守ってくれているし、お母様の短刀だってあるわ。何かあったら私だって護身術くらい習ってたんだから。」

ルイを安心させる様にサラは母の短刀を見せる。
金の鞘にルビーが埋め込まれた短刀にはサラマンダ家の家紋が彫り込まれている。

父が牢獄で捕まっている今、腹臣であるルイが動いたと気付かれたら父にまたあらぬ疑いの目が向く可能性がある。

サラの様な社交界デビューもしていない娘の方が顔も知られていない為、秘密裏に動くにはちょうどいいのだ。
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