男装令嬢は竜騎士団長に竜ごと溺愛される

「お嬢様、女の一人旅は危険です。
せめて男装をして下さい。

リューク様の少年時代の衣装を見つけました。これを着て行って下さい。」
確かにスカートを履いているとブルーノに飛び乗る事も困難だ。

「そうね。その服の方がブルーノにも乗りやすいわ。髪の毛も切った方がいいかしら。」
綺麗なブロンドの髪はこの二年で腰まで伸びていた。

「せっかくここまで綺麗に伸ばしたのに勿体無いですね…」
乳母のジーナは涙ぐむ。
サラが舞踏会の為にずっと切らずに伸ばしていた事を知っていた。

「泣かないでジーナ、髪なんてまたすぐ伸びるわ。」
サラは努めて明るくいい笑顔を向ける。

「お兄様が幼少期の頃のような髪型がいいかしら?それとも思い切ってバッサリ切ってもいいわ。ジーナに任せるから。」
< 9 / 282 >

この作品をシェア

pagetop