年下彼氏の結婚指導
「……マリッジブルーとか言われてさ、親の挨拶から結婚式の準備まで、ずーっと不機嫌なんだよ」
(どうしよう、全く興味がないわ……)
 華子は内心で溜息を吐いた。

「独身中にやらなきゃいけない事があるから忙しいって、貯金も全部使いきるって言うしさー」
(それはちょっと凄いとは思うけれど)

「向こうの親からも、本当に大丈夫かって何か疑われてる感じがしてさ……なんだかなあ……」
(なんだがなあ、はこっちの台詞である)
「……あのね、堅太」
「うん?」

「一生に一度の晴れ舞台でしょ? 楽しんでやらなきゃ!」

 しかし結局、黙っていられなくて口を開いた。

「そりゃ可愛い娘を預ける相手だもん。目線が厳しくなるのも仕方ないよ。ご両親との信頼関係だって、まだまだこれからでしょう?」

 口を開ける堅太を真剣に見つめ、水をぐびっと煽る。
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