年下彼氏の結婚指導
いくつか内定を貰った内、翔悟が選んだ会社を両親は喜んでくれた。弟は相変わらずで、「勿体無いオバケが出るぞ」と脅してきたけれど。
そして就活から約一年後、期待と緊張に包まれた入社式の中、気付けば華子の姿を探していた。人事担当なら会えると疑っていなかった。
けれど入社後、二週間の新人研修での再会もない。もしかしたら辞めてしまったんだろうかという嫌な予感を振り切れないまま、仮配属の指導担当が華子だと知って運命だと思った。頭の中を祝福の鐘が鳴り響いて、完全に浮かれた。
入社後二週間の新人研修が無事に終わって。
同期の社員たちとの飲み会で、翔悟はそれとなく就活時代の話を持ち出した。すると就活時、翔悟と同じく華子のレクチャーを受けた女子がいて喜んだ。
けれど彼女は翔悟の心の機微を知り、嫉妬に顔を歪め華子を悪く言った。
「あの人って七歳も年上のオバさんなのに、愛想の一つも無かったよね。でも当然かも。研修担当の人が教えてくれたんだけど、あの人そのせいで年下の彼氏に振られたらしいから。ちょっとウケるよね?」
……何がウケるのか分からないけれど、翔悟はお酒の席で声を荒げたりはしない。
「そうだね。七年後に俺たちも新人にオジさんって言われるだろうから。年齢で人を貶めて笑ってたなんて知ったら、ウケるって笑われるだろうね」
そして就活から約一年後、期待と緊張に包まれた入社式の中、気付けば華子の姿を探していた。人事担当なら会えると疑っていなかった。
けれど入社後、二週間の新人研修での再会もない。もしかしたら辞めてしまったんだろうかという嫌な予感を振り切れないまま、仮配属の指導担当が華子だと知って運命だと思った。頭の中を祝福の鐘が鳴り響いて、完全に浮かれた。
入社後二週間の新人研修が無事に終わって。
同期の社員たちとの飲み会で、翔悟はそれとなく就活時代の話を持ち出した。すると就活時、翔悟と同じく華子のレクチャーを受けた女子がいて喜んだ。
けれど彼女は翔悟の心の機微を知り、嫉妬に顔を歪め華子を悪く言った。
「あの人って七歳も年上のオバさんなのに、愛想の一つも無かったよね。でも当然かも。研修担当の人が教えてくれたんだけど、あの人そのせいで年下の彼氏に振られたらしいから。ちょっとウケるよね?」
……何がウケるのか分からないけれど、翔悟はお酒の席で声を荒げたりはしない。
「そうだね。七年後に俺たちも新人にオジさんって言われるだろうから。年齢で人を貶めて笑ってたなんて知ったら、ウケるって笑われるだろうね」