オチタカラス

猫、仲間になる

 春輝サイド
 律に拾われて、1週間がたった。
「律、説明」
「ん、こいつらの事?
 邪魔なら、今すぐ沈めるけど」
「ありがとう、けど違う。ここどこ」
 こんな会話をする羽目になったわけは、さかのぼること1時間前。
 いつも通り、律の横で寝ていたら、チャイムが鳴って、
 人が来て、律に、赤髪の人が
「律ー、倉庫行こうぜー」
「うるさい、健」
 とか言っていた。
 けれど、眠気にあらがえず、寝た。
 だから、倉庫に連れて行くなどを律たちが言ってるなど知る由もなかった。
 で、冒頭に戻るというわけだ。
「ここ、倉庫」
「倉庫って何」
「倉庫は、暴走族のたまり場」
「ん」
「ここね、輝龍っていう、世界No1の族」
「ん、それで、僕との関係は」
「姫」
「姫って何」
「姫は族が命をかけて守る存在」
「ん、なりたくない」
「だめ、なる」
「同盟を含めた全員がうなずけばいいよ」
「ん」
 すると赤髪が
「よくわかったね、律の言葉」 
「誰」
「俺は、副総長の佐藤健(さとうたける)お前らも自己紹介しろ」
「僕は、宇藤灯(うどうあかり)幹部」
「私は、灯の双子の妹の宇藤光(うどうひかり)幹部」
「幹部の赤城傑(せきじょうすぐる)」
 健、灯、光、傑。
「覚えた、よろしくね、みんな」
『よろしく』
「して、律さん、外にいる人たちは、どうする」
「ということだ、先代がた」
 そういうと、扉があき、先代が、入ってきた。
 懐かしい顔が数名。二代目までしか顔知らんし。
 すると、誰かに「黒桜」と呼ばれた。
 皆そういった人の方に向いた。
 そら、初代総長の呼び名を言ったのだから。
 言ったのは、初代幹部の、特攻隊長。藤堂葵だった。
 カンが妙に鋭かった奴だ。
「総長だろ。桜庭春輝」
 無責任に責められ、死のうとしたほどだ。
 なぜ名前を呼ばれなけばならない。
「名前を呼ぶな。失せろ」
 驚くほど低い声が出た。
 みんな、驚いた顔をした。
 初代は、暗い顔をしていた。
「お前らが、何故暗い顔をする。」
「してない」
 言い返してきたのは、赤城裕、傑の兄。
「龍はもう、帰ってこない、」
「分かってるよ」
「俺が龍を亡くした時何歳か知ってるか?」
「知らない」
「五歳だ」
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