どんな人生をおくっても

おいだち

 僕は、養護施設育ちだ。
 
 物心つく時にはすでに養護施設にいた。
 
 最初は自分のことを何も知らなかった。
 
 唯一知っていたことは養護施設を何度も転々としていたことぐらいしか知らなかった。

 すべてのことを知ったのはつい最近のことだ。

 僕は持病で病院に入院していた。その際に、家族ぐるみでお世話になっている人からすべてのことを話してもらった。その内容に僕はショックを受けた。

 実は自分は、赤ちゃんの頃に母親と父親からネグレクトを受けていたらしい。児童相談所に保護され乳児院で最初は過ごしていた。

 そこで一年ぐらい過ごし別の養護施設に入った。

 その養護施設も一年ぐらいで移動してその移動した先の養護施設は16年いた。

 その間お母さんがたまに会いに来ていたが小学4年生のときに急に音信不通となり会いにも来なくなった。

 自分は、とても動揺したことを覚えてる。

 そしてとても心配していた。

 なんで会いに来なくなった理由も分からないままずっと待っていたがその日は二度と来なかった。

 実は母親から高校卒業前に連絡があり縁を切りたいと言う話だった。

 もちろんそんなことは自分は知らない。

 その話をはじめて聞いたときはとても悲しくなった。けどなぜか涙は出なかった。


 

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