白虎の愛に溺れ死に。
本編
「は…っ、匡…」
「… 莉音さん、声出さない約束でしょう…」
「…だって、…やぁ…」
黒いカーテンに仕切られた車内。重く響くエンジン音を聞きながら、内側を激しく擦る長い指に鳴かされる。
スカートを捲し上げて乱れる私を嘲笑うように、髪の一本すらも乱さず笑みを浮かべる目の前の男。
「匡…もうダメ、」
程よく筋肉のついた彼の腕にしがみつき、生理的な涙で頬を濡らしながら青い瞳を見上げると…、
「ふ…、相変わらず、弱いですね。ココ…」
「ひっ、…うっ、く」
クッと指の関節を曲げて、彼の言う“ココ”を強く押し上げられた。
その瞬間…腰が跳ね上がり、世界が真っ白に染まる。
ガタガタと体が震えるのは、寒いからでも怖いからでもなく…ただただ、彼から与えられた快楽に私の体が痙攣を起こしたからだ。
座席にぐったりと横たわった私をフッと笑った美しいその男はゆっくりとこちらに体を倒し、わがままな子供を嗜めるようにこめかみへキスを落とす。
「気が済みましたか?莉音さん…?」
「は、…はぁ…」
「もうヘトヘトに見えますけど。まだ満足できません?」
「……ん、ちょ…今触らないで…、っ」
ちゅ、ちゅ…と顔にキスの雨を降らせながら、下着からはみ出した胸先をくりくりと指先でいじるから、今限界を超えたはずなのにすぐに続きが欲しくなる。
わざと耳元に小さく息を吹き込んだ彼はもうとっくに分かっているはずだ。
私がここからどうして欲しいか、何をお願いするのか。
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