大嫌いの先にあるもの
最悪な日
黒須と情熱的なキスをする夢を見た。
強く抱きしめられ、鍛えられた逞しい胸板を感じ、甘い匂いを嗅ぎ、互いの服を脱がせ合った。そして何度も唇を重ね、彼を求めた。
起きた瞬間、胸がムカムカとして気持ち悪い。
黒須に抱かれるなんて、いくら魅力的な男でも不謹慎すぎる。
美香ちゃんの夫だったのに……。
なんでそんな夢を見てしまったんだろう。
黒須とどうこうなりたいなんて願望、微塵も持ってないのに。
もしかして、昨夜の事が引っかかってるのかもしれない。
黒須の為にわざわざ地下鉄を乗り換えて、引き返すなんてらしくない事をしたから、自分を罰したくて悪夢を見たんだ。きっとそうだ。それしかない。
でも、結局は会えなかったんだよな……。
私の行動は無駄だった。
いつまでもホームでくよくよ落ち込んでるような男じゃない事はわかってたのに。
悲しそうな顔をしたのはもしかしたら私の気を引こうとした演技かもしれない。
だとしたら、まんまと黒須の罠にかかり弄ばれたという事だ。
悔しい。仏心なんて出すんじゃなかった。
布団の上の携帯のアラームが鳴った。
もうバイトに行く時間だ。
今日は土曜日で、9時から17時のシフトが入ってる。
急いで身支度をしてアパートを出た。
強く抱きしめられ、鍛えられた逞しい胸板を感じ、甘い匂いを嗅ぎ、互いの服を脱がせ合った。そして何度も唇を重ね、彼を求めた。
起きた瞬間、胸がムカムカとして気持ち悪い。
黒須に抱かれるなんて、いくら魅力的な男でも不謹慎すぎる。
美香ちゃんの夫だったのに……。
なんでそんな夢を見てしまったんだろう。
黒須とどうこうなりたいなんて願望、微塵も持ってないのに。
もしかして、昨夜の事が引っかかってるのかもしれない。
黒須の為にわざわざ地下鉄を乗り換えて、引き返すなんてらしくない事をしたから、自分を罰したくて悪夢を見たんだ。きっとそうだ。それしかない。
でも、結局は会えなかったんだよな……。
私の行動は無駄だった。
いつまでもホームでくよくよ落ち込んでるような男じゃない事はわかってたのに。
悲しそうな顔をしたのはもしかしたら私の気を引こうとした演技かもしれない。
だとしたら、まんまと黒須の罠にかかり弄ばれたという事だ。
悔しい。仏心なんて出すんじゃなかった。
布団の上の携帯のアラームが鳴った。
もうバイトに行く時間だ。
今日は土曜日で、9時から17時のシフトが入ってる。
急いで身支度をしてアパートを出た。