【SR】松嶋家の『殺意』


「まぁとにかく聞けよ。
実はさ…―――」


最近の両親の動向は、目に余るも
のがあった。


毎日学校に弁当を持たせてくれる
母親は、韓国スターに夢中。
やれコンサート、やれ試写会と、日々
忙しく飛び回っている。


弁当を作る暇がないんなら金を持
たせてくれればいいようなもんな
のに……


『もったいない!』


が口癖の母親。
どんなに時間がなくたって、必ず
弁当を作る。


「いいお母さんじゃない。」


パタパタと制服についた殻を払い落
としながら呑気に言う真紀子。


「おい…人の部屋で何やってんだ
よ?
―――いいから最後まで黙って聞
けって!」


文句を言ったところで、マイペースな
彼女が聞き入れてくれる筈もない
と経験上わかっていた茂男は、そ
のまま話を続けた。
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