【SR】松嶋家の『殺意』
馬券は当たればかなり懐も暖まる
が、負ければ一銭にもならないた
だの紙切れ。
5万なんてあっという間に消えて
なくなる。
「いつも負けてんだからいい加減
やめればいいのに…
足りなくなったら俺にまで金借り
にくるんだぜ!」
ベッドにゴロンと寝転がった茂男は
、「痛っ!」と顔をしかめて起き
上がった。
「何でピスタチオがこんなところに落
ちてんだよ!」
見ると、無数のピスタチオがベッドの
上に――――
「いいからいいから。
話続けて?」
鼻の穴にピスタチオを詰めて、フンッと
飛ばして遊んでいた真紀子が、事
もなさげに言う。
「全く…それでも女かよ。
―――いたたっ…ごめんって!」