年上カメラマンと訳あり彼女の蜜月まで
 そうなってしまったら、もちろん瑤子ちゃんがいるから司が靡くなんて絶対ないんだろうけど、さっちゃんが泣くところは見たくない。

 もうグダグダ考えすぎて頭がパンクしそうだ

 こんな姿をレイちゃんに見られたら完全に笑われる。けれど、的確なアドバイスをくれる友人とそのパートナーに久しぶりに会いたくなった。

『ムツキ、バカじゃないの?』

 そう言って笑い飛ばして欲しい。

 気の置けない友人達の顔を思い出しながら、ようやく仕事を進めようかとパソコンに向かう。

 そういえば昨日からメールチェックしてないや……と先にそっちを開けて俺は驚愕しながらも、ちょっと嬉しくなった。

『Hi! ムツキ元気にしてる? アンタ、なんか悩んでるんでしょうけど、頭で考えてもしょうがないわよ? その腑抜けた顔見に行きたいけど、残念ながら見ることはなさそうね。なかなか楽しそうな状況みたいだから興味はあるんだけど。まあ、アンタの名前はMoonみたいだけど、Starのカードがついてるから頑張りなさいよ』

 そんな意味の英文のメール。
 差し出し人はRachel(レイチェル)。俺がレイちゃんと呼ぶ友人。

「また、人の事勝手に占ったな?」

 口元を緩めながら、俺は占いが得意なレイちゃんのパートナーAnna(アンナ)、アンちゃんの顔を思い出していた。
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