年上カメラマンと訳あり彼女の蜜月まで
 時間は午後9時。今日も睦月さんの家でご飯を作って食べて帰って来た。

「ですね。ちょっと休みボケしそうです」
「ほんとにね。と言っても今月は容赦なく仕事入れられちゃったんだけど。ぼんやりしてたらあっという間に2月になってそう」
「それは困ります! 睦月さんの誕生日が過ぎちゃう!」

 真面目にそう言うと、睦月さんは嬉しそうに笑いながら私の頭を撫でた。

「わかってるよ。俺も楽しみにしてるから。できるだけ早く仕事終わらすよう頑張るよ」
「はい。絶対にお祝いさせて下さい」

 睦月さんを見上げて答えると、睦月さんはニッコリと笑ってから私の頰に唇を落とした。

「俺は今からさっちゃんの誕生日をどう祝おうかなって、もっと楽しみにしてるけどね?」

 睦月さんの誕生日を尋ねたあと、話の流れで私の誕生日の話になった。
 その時には「今から絶対予定入れないようにするよ」なんて笑顔で言われたのだった。

「私は……睦月さんに会えるだけ充分です……」

 私の頰を優しく撫でる睦月さんに小さくそう答える。

「んー。でも、俺がさっちゃんのためにしたいだけだから。今から心待ちにしてるよ? 5月の……27日を」

 と言ってから私の唇にゆっくりと唇を重ねた。
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