年上カメラマンと訳あり彼女の蜜月まで
「レイちゃん? 何?」
『いや……Lucky starは掴まえたか? だってよ。どう言う意味だよ?』

 それを聞いて盛大に笑い出すと、目の前でさっちゃんが目を丸くしている。

 レイちゃんは結果を知ってて尋ねてるんだから意地が悪い。早く連絡して来いってことかな? なんて思いながら、さっちゃんの頭をそっと撫でる。

「ふふ。レイちゃんには直接答えるよ。司には……またそのうちね」

 前にレイちゃんから来たメール。それにstarの文字があった。きっとそれを指してるんだろうなと思った。
 メールを読んだあと調べたそのカードの意味。月は不安、星は希望、そんな意味らしい。

 確かに俺にとってさっちゃんは、希望そのものなのかも知れないな、なんてその顔を見て思う。

 『気をつけて帰って来て』とだけ言ってから電話を切ると、さっちゃんは心配そうに見上げていた。

「あの、何か用事があるなら私のことは気にしないでください」

 そんなさっちゃんをギュッと抱きしめる。

「さっちゃん以上に大切な用事なんてないから。いいんだよ、いい歳した大人なんだから勝手に帰ってくるよ。それより……明日は何しよう?」

 俺は腕に閉じ込めたさっちゃんに尋ねた。
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