年上カメラマンと訳あり彼女の蜜月まで
「そんなに締めないで……」

 耳元で囁くと、可愛く啼きながらさっちゃんは言葉を紡いだ。

「だ、って……。ぁっ、んんっ!」
「だって、何?」

 奥を突くように腰を深めると、さっちゃんは顔を顰めながら腕に力を込めた。

「気持ち……いい……ん、ですっ……」

 最後の最後まで煽られて、体に甘い痺れが襲う。そんなことを言われたら、労わることなど忘れて中を蹂躙してしまいそうだ。

「あっっ! やぁっ!」

 深さを増し奥をこじ開けるように腰を沈めると、さっちゃんは必死に俺にしがみついている。体を痙攣させて嬌声を上げるさっちゃんの中に締め上げられ、俺は薄い膜越しに欲を放った。

 なんとも言えない幸福感のなか、しばらくさっちゃんを抱きしめていると、さっちゃんは腕の中でうとうとし始めていた。

 今日は朝から忙しかったよね……

 サラサラと髪を撫でながら俺は思う。まだ日付は変わっていないけれど、きっと疲れてるだろう。けど、化粧も落とさないまま朝まで寝かせるわけにはいかないし……。もうちょっとだけこうしてから、あとで起こそうか。

「一生忘れることのない誕生日になったよ」

 小さく呟き、俺はその愛しい寝顔にキスを落とした。
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