BITCH
BITCH
目の前には、山盛りになったティッシュ。
「前から思ってたんだけど俺には無理だとかさあああああ昨日会ってた時は好きって言ってたのに意味分かんないいいいい」
ラブホテル特有の大きいベッドの中央に座って泣き喚くあたしと。
「うん」
ベッドの端に腰かけて、缶ビール片手に、テレビを見ながら生返事をするトーリ。
ラブホテルの一室である、この部屋に来て三十分。
「トーリ、聞いてんの!?」
「聞いてる」
「テレビ見てんじゃん!」
「見ながら聞いてる」
あたしとトーリの感情の温度差は、ずっと変わらない。