目隠し、はずして
「悪い、待たせたな」

大和くんがわたしの後ろに視線を向け、片手を上げた。

「いいよ、大和にやっと会えたし」

嬉しそうな黄色い声音が返事をする。

振り向くとそこには、露出度の高い服を身に纏ったスタイル抜群の女の子がいた。

「俺も本物のチハルに会えたから、行ってくるわ。じゃあまたな」

そう言うと、大和くんはさっきわたしと一緒に歩いた道を本物のチハルと呼んだその子と歩き始めた。

「本物のチハルってどういうことー?」

甘えた声で話しながら、女の子は大和くんと腕を組みその隣に並ぶ。

「ん? 俺が探してたチハルってこと」


キュウ、と小さく胸が震えた。

2人の姿が遠ざかっていく。
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