断片集


しばらく車を乗り継いで着いたこの町唯一の(だと思う)港には、大きな船が停まっていた。
「はーい、持ち物とかは、大丈夫かなぁー?」
アイドルモードの古里さんに言われて、(変装したままだからシュール)ぼくたちはそれぞれ荷物を確認した。
本名は、古里茨華だった……気がする。
肩までに切った髪に、トマトの髪飾りを付けている。腕がすらっと長く、童顔で目が大きくて、顔が小さい。身長は150くらいだと思う。
子どもが縦に引き伸ばされてる感じ。早い話、元アイドルだ。
『歳をとらない妖精さん』が売り出し方だったことからもどことなく察せられるように、少し昔の時代のアイドルだ。
知り合いの旅館によく泊まってる関係で、ぼくとも知り合いになって、そして、たまに一緒に遊んでいる友達? みたいな感じの人。友達に歳は関係ない
彼女の招待で、ぼくとその知り合いたちは、なぜか誰かのディナーショーへ出かけることに。まぁ、この辺の経緯は割愛させていただく。

< 15 / 69 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop