思い思われ嵌め嵌まり
画面を見て景子は声を上げそうになった。
今別れたばかりの彼からだった。まだ近くにいるのではないか、と思わず振り返った。

『隼人です。今日は仕事何時に終わりますか?』

これを聞くということは、誘いがあるということだろうか、と考えていると、続けてメッセージが届いた。

『もし時間があれば、今日晩飯どうですか?』

景子は気が急いていた。
クールな女を演じて断ってしまうと、ニ度目があるかどうかはわからない。かといって、言葉を交わしたその日に誘いに乗るのはどうなのだろうか、と思ってみたり。
とりあえず返信した。

『仕事は五時半に終わります』

すぐに既読がついて返信があった。

『今日は忙しいですか?』

――そうなるよね。

景子は少し考えてから返信した。

『大丈夫ですよ』

『良かった。じゃあ、いつもの信号のすぐそばにあるコンビニの前に六時でどうですか?』

『わかりました』

約束してしまった。

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