思い思われ嵌め嵌まり
「あの、私……」
こんな時、クールな女はなんと返すのだろうか。
「はい」
隼人が顔を覗き込んだ。
「前から行ってみたかったお店があるんです」
勇気を振り絞って口にすると、隼人は満面に笑顔を広げた。
「じゃあそこは、次、必ず行きましょう。今日は俺に付き合ってくれませんか?」
そう言われ、広美の言葉が頭を過った。
如何わしいところ――
「え? ど、何処にですか?」
景子は慌てて聞き返した。
「俺、今日奮発してフレンチのコース予約したんです。景子さんのために」
「え、ほんとですか? 嬉しすぎる……」
思いがけない言葉に舞い上がり、つい本心を口にしていた。
「俺もすっげえ嬉しいです。じゃあ行きましょうか」
不意に手を握られ、心臓が跳ねる。
え、ちょっ……どういうことーー!?
「大丈夫ですよ。俺、勘違いしてないですから……突然チューしたりとかしないので安心してください」
『ダレダレ詐欺』を仕掛けた景子は、隼人の『思わせ振り詐欺』――かどうかはわからないけれど――に引っ掛かり、彼のペースにどっぷり嵌まっていた。
こんな時、クールな女はなんと返すのだろうか。
「はい」
隼人が顔を覗き込んだ。
「前から行ってみたかったお店があるんです」
勇気を振り絞って口にすると、隼人は満面に笑顔を広げた。
「じゃあそこは、次、必ず行きましょう。今日は俺に付き合ってくれませんか?」
そう言われ、広美の言葉が頭を過った。
如何わしいところ――
「え? ど、何処にですか?」
景子は慌てて聞き返した。
「俺、今日奮発してフレンチのコース予約したんです。景子さんのために」
「え、ほんとですか? 嬉しすぎる……」
思いがけない言葉に舞い上がり、つい本心を口にしていた。
「俺もすっげえ嬉しいです。じゃあ行きましょうか」
不意に手を握られ、心臓が跳ねる。
え、ちょっ……どういうことーー!?
「大丈夫ですよ。俺、勘違いしてないですから……突然チューしたりとかしないので安心してください」
『ダレダレ詐欺』を仕掛けた景子は、隼人の『思わせ振り詐欺』――かどうかはわからないけれど――に引っ掛かり、彼のペースにどっぷり嵌まっていた。