冷徹社長は幼馴染の私にだけ甘い

2.


 凛子は一緒に広報部に配属された同期と新入社員の挨拶を済ませたところだ。自分専用のデスクとパソコンに凛子は胸を弾ませた。


「私、自分のデスクを可愛く使うのが夢だったんだぁ」


 デスクに手を掛け、隣の席の希に話しかける。


「家族の写真とか飾ってる上司多かったよね。写真とかってドラマの世界だけかと思ってたわ」
「ふふ、確かに。私もいつか飾れたらな〜」


 ポッと頭に浮かぶのはもちろん優の顔だ。つい、口元が緩みそうになる。


 ここに猫の写真を飾って癒されて、ここにお気に入りのウサギのマスコットを置こう。これからの社会人生活は楽しみしかなさそうだ。

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