線香花火


彼女は線香花火なんて忘れていたのか、すでに火花は早い段階で地面に落ちていたみたいだ。


いっつも僕が負けていたから、最後に勝ててうれしかった。


「そんなこと今はどうでもいいでしょ!」


「……ごめん」


でも、残った時の決まり事覚えてるでしょ。


「ねぇ、かなちゃん。僕の最後の願い聞いてくれる?」


いつも彼女が言っていたセリフ。


初めて僕が言ったかもしれない。


< 38 / 57 >

この作品をシェア

pagetop