線香花火
それでも、こんなお願いをするなんて僕はひどい奴だね。
「あのさ、かなちゃん」
「嫌だってば!聞きたくない!」
泣いて耳を塞いでしまう彼女を僕はそっと抱きしめる。
もちろん、触れられないのだから僕の体は彼女と重なっただけ。
あぁ、こういうときでさえも触れられないのか…。
神様、こういうときぐらいお情けで触れさせてくれてもいいんじゃない?
なんて、そんなこと言ったら神様も怒ってしまうかもしれない。
こうやって彼女に会わせてくれたそれだけでも感謝。