冷酷・楠木副社長。妻にだけは敵わない

【千鶴】

そして一方の千鶴━━━━━━━

「「「「カンパーイ!!!」」」」

千鶴、ゆかり、亜理子(ありす)の三人は、沙都のハンドメイドのアルバイトだ。
今、この三人で沙都のショップを支えている。

「凄い、ご馳走ね!」
「確かに!」

「ほんとに沙都ちゃん、奢りでいいの?」

「もちろん!
三人のおかげで、結構有名なショップになったしね!」
三人の言葉に、微笑み言った沙都。

ゆかりは中学の時からの友人、亜理子は沙都のママ友(歳は千鶴達の10こ上)だ。

「でもさ!千鶴のデザインしたピアス、ほんと可愛いよね!」
「だねー!
千鶴ちゃん、デザインの才能あるんじゃない?
どれも、お洒落で可愛いもん!」

「恥ずかしいから、あんま褒めないでーー/////」

「フフ…でもゆかりと亜理子さんの言う通りよ。
センスあるわよ、ちづ!」

「もう////沙都ちゃんまで!」

千鶴は、不器用な為かあまり褒められたことがない。
褒められることにあまり慣れてない為、褒められると顔を真っ赤にするのだ。


「友達に勧めたら、みんな“可愛い”って言って買ったくれたんだよ!
特にピアスは、人気だった!」

「ほんと?ゆかりちゃん」
「うん!
羽のピアス、好評よ!」

「嬉しい////」

理亜(りあ)(亜理子の娘)なんか、ピアスが欲しくてピアスホールあけたくらいなんだから!」
「そ、そんな/////
あ、でも!
理亜ちゃんも、中学生ですよね?
いいのかな?」

「大丈夫よ?
学校では上手く穴を隠してるみたいだから!」


「━━━━━ところで、ゆかり。
リリちゃん(ゆかりの娘)は?」
「旦那が見てる!」
「そっか!
リリちゃん、パパが大好きだもんね!」
「ですね!可愛い~」

「千鶴は?子どもは?
………って、結婚してまだ一ヶ月も経ってないか(笑)」
「なんか千鶴ちゃんと朱李くんはラブラブ過ぎて、結婚したばっかって感じしないよね?」

「そうですか?
でも、子どもはまだかな?」

「まぁ、こればっかりはね!」
「あ、いや、そうじゃなくて!」

「ん?」
慰めるように言った沙都に、千鶴は慌てて言った。

「私、お薬飲んでるの。
朱李くんがね。
まだ、子ども欲しくないって言って」

「は?」
「え?」
「そんな…」
沙都達は、フリーズし千鶴を見る。

「ほんと朱李って、冷酷よね!?」
ゆかりが怒る。
「てか!冷酷ってゆうか、自分勝手よ!!」

「千鶴ちゃん、怒っていいんだよ!?」
沙都と亜理子も、ご立腹だ。

「あ、でも!
ちゃんと二人で十分話し合ったし、みんなが思ってるようなことじゃないんだよ?
ほんとだよ!
来年からは、ちゃんと考えるって言ってくれてるし!」

千鶴の必死の弁解に、三人はなんとか納得したのだった。
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