冷酷・楠木副社長は妻にだけは敵わない
「お目が高いですね~
でも、珍しいですね!
◯◯は、男性に人気のキャラクターですよ?」

「あ、私じゃなくて、主人にプレゼントしたくて!」

「ご主人に!
素敵ですね!
愛だなぁー!」

「はい!これで、仲直りできたらいいな…」


その様子を見ながら、朱李は泣きそうになっていた。

どうして千鶴は、こんなに俺を虜にするのだろう。

小さくて、不器用。
週に最低一回は、転けるようなおっちょこちょい。

なのに初めて逢った時から、俺の視線と意識を捉えて離さない。
いつも笑顔で一生懸命な、初めて俺に人を愛すること・笑顔を教えてくれた。

真っ黒な闇のような心に、温かい光を与えてくれた人。


「いい女だな、ちづ」
周太が呟く。

「………あぁ、でも千鶴は俺の女だ!
誰にも、渡さない!」


それから優勝と準優勝が発表され、沙都が優勝したのだ。
自分のことのように喜ぶ、千鶴。

イベントは、大盛況のまま終了した。

そして沙都が、千鶴に高級旅館の招待券をそのまま渡してきた。
「初めての結婚記念日、楽しみな!
特別賞、おめでとう!」
「でも…優勝したのは、沙都ちゃんだし!
私は、この特別賞で十分!」


「━━━━━━ちづ、貰ってやれよ!」
そこに、周太が声をかける。

「え?周太さん……!?
……………朱李…く…!!?」
目を見開いて、朱李を見る千鶴。

「千鶴」
「あ……」

「ごめん!!」
頭を下げる、朱李。

「え?」
「俺、嘘ついた!」
「朱李くん」

「可愛いよ!凄く!
千鶴、可愛い!!
ごめん、あまりにも可愛すぎて嫉妬したんだ!
誰にも見せたくなくて、あんな言い方したんだ」

「朱李くん…」

「千鶴、仲直りしたい!
抱き締めさせて!
そんで、キスさせてよ!」

「朱李くん」

「ん?」

「その笑顔が見たかった!
朱李くんのその笑顔が見たかったの!
ずっと、後悔してた。
朱李くんの宝物壊したこと。
あの時、朱李くん笑って許してくれたけど…
凄く悲しそうだった。
私、自分が許せなかった。
朱李くんから、笑顔奪ったこと。
だから、今日のイベントのこと聞いて“これだ!”って思ったの!」

「うん、うん!ありがと、ちづちゃん!」

「朱李くん、私こそごめんなさい!
あんな態度とって、ごめんなさい!
私も、仲直りしたい!」
そう言って、千鶴は朱李に飛びつくように抱きついた。

「ちづちゃん…」
朱李も力強く抱き締める。

「朱李くん」

「ちづちゃん!」
「朱李くん!」

「ちづちゃん、顔見せて?」
「ん////」

「可愛い…/////
俺の可愛い天使!」

「フフ…恥ずかしいな(笑)」

「キス…していい?」
「え……ここで?」

「うん…ここで。いいよね?」

「「ダメだろ!!!」」
沙都と周太がハモり、突っ込む。

「はぁぁ!!?
つか、お前等邪魔なんだよ!!消えろ!!」

「朱李くん!二人に怒っちゃダメだよ!」
「あ、ごめんね!」

「帰ろ?朱李くん。
帰って、いっぱいラブラブしたい/////」
顔を赤くし言った、千鶴。

朱李はそんな千鶴に更に煽られ、嬉しそうに微笑んだ。
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