【書籍化・コミカライズ】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
「……どうしましょう。騎士団長様」
「明らかに今、この姿の俺を騎士団長と呼ぶのはおかしいだろう? ……アーサーと」
「アーサー様」
「まあ、ただアーサーと呼んでもらいたいというのは、願いすぎか」
騎士団長様の眉間に、いつものしわがないことに密かに衝撃を受ける。
本当に可愛らしいけれど、困らせたいわけではないので、そのことは黙っておく。
「それにしても……。おぞましさすら感じる、強い魔力の渦だ」
「私には、そこまでわかりませんが」
ただ、妖精たちがあわてたようにあちらから飛んでくるから、オーナーがいるのは、騎士団長様が見据える方向で間違いないのだろう。
「危険だから、ここで待っていてくれ、と言っても聞かないのだろうな」
「そもそも、ここにいれば安全なのですか?」
「……まあ、俺と一緒にいたほうが、安全か。いざとなれば、奥の手もある」
「奥の手?」
「ああ、幼い頃は、剣よりも魔法を使う機会のほうが多かったからな。この姿でも、リティリア嬢一人くらい守ってみせよう」