【書籍化・コミカライズ】鬼騎士団長様がキュートな乙女系カフェに毎朝コーヒーを飲みに来ます。……平凡な私を溺愛しているからって、本気ですか?
階段を勢いよく駆け下りていく。
シンプルだけれど贅沢に布を使ったスカートが、空気を含んでフンワリと広がった。
「待って下さい!」
「リティリア、危ないぞ!?」
階下でマントの留め具を止めようとしていた騎士団長様が、転がるように降りていく私を見て軽く目を見開いた。
そのまま、最期の三段を飛び降りて騎士団長様に飛び込む。
私を抱き留めようと騎士団長様が留め具から手を離した。マントがバサリと音を立てて床に落ちる。
思ったよりも、騎士団のマントは重いのだ。