【電子書籍化決定!】悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜
そんな熱心にトリニティを愛しているダリルの姿に感化されたマークとイザベラは、最近さりげなくダリルを勧めてくるようになった。
ケリーもケリーで「諦めて婚約しちゃえば丸く収まりますし、ケリーもダリル殿下とトリニティ様が結婚してくれたら王妃付き侍女ですよぉ! 出世街道まっしぐらです」と嬉しそうに言っている。
天使様も幸せは『ダリルとの結婚にあり』と手招きしている。

つまりは圧倒的に不利な状況である。
今のダリルは嫌いではない。むしろ可愛がるのを我慢していて胸が苦しい。
だが今まで何の為に頑張ってきたのだろう、と思うとなかなか踏み出せなかった。
徐々に追い詰められていたトリニティではあったが、ナイスなタイミングで学園に入学することになった。

二つ歳下であるダリルと会う機会はグンと減ったことで、これ以上心が靡く前に防げた事に安堵していた。
学園に通い始めれば、ダリルも自然と他のことに目を向けるようになる筈だと思い、思春期の心変わりに期待する事にした。
あとはもう自然に任せようと、半ば諦めモードである。
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