【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
□二人一緒に

初めてのデート



 翌朝目が覚めると、隣には間違いなく千歳が横で眠っていた。

「……やっぱ夢じゃ、なかったんだ」

 夢かと思ったけど、これは間違いなく現実だ。   
 隣で寝息を立てて眠る千歳の顔をふと見つめる。千歳の頬に触れると、千歳は「ん……」と、寝返りを打つ。

「……寝てる」

 気持ち良さそうに寝てるな……。

 そういやあの後、千歳は夜中まで私を抱きつくしたっけ……。何度も私の名前を呼んでた。
 私はそんな千歳に、身体も心も……。

「……はあ」

 なんで私は、千歳となんて……。そう思ってるのに、千歳のことを拒めない。

「……おはよう、千歳」

 一言声をかけた私は、ベッドから起き上がる。……はずだったのだが。

「えっ?」

 その腕を掴んだのは、寝ているはずの千歳だ。
 
「千歳、起きてたの?」

 千歳にふと視線を向けると、千歳は「……今起きた」と答える。

「おはよう、桃子」

「……おはよう」

 なんかこんな朝を迎えるのって……私たち、本当に夫婦、みたい。
 って……私、何考えてるの?
 
「……桃子の寝癖、かわいいな」

「え? 寝癖?」

 ウソ!寝癖付いてた!? やだ、恥ずかしっ!

「は、恥ずかしい……」
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