虜にさせてみて?
響君は不器用なだけなのかな?

うまく伝えられないのかな?

今更だったけれど、『有難う』って言われると嬉しい。

「今日の夜、オーベルジュの仲間達で水野響さんの歓迎会をやりますからね? 披露宴会場を貸し切りです」

「いいよ、そんなの……」

「駄目ですよ、参加しなきゃ! 皆さんと仲良くなるチャンスなんですから」

響君も早くここの生活に慣れて、上手く溶け込めると良いね。

5分間が経過し、紅茶をティーカップに注ぐ。

淹れたての紅茶を味見をした響君は、茶葉から入れたダージリンの紅茶が気に入ったらしい。

次は響クンが紅茶を入れる番。

初めて紅茶を茶葉から入れる割には手際良く、様になっている。

その姿を見て、”何をやらせても様になって、カッコイイんだろうな”って思った事は響君には内緒。

「あっ、美味しいです。合格です。近い内に、私と交代で入ったりしますから、この調子で頑張りましょうね?」

ふんわりと香るダージリンの爽やかな香り。響君の入れた紅茶は美味しかった。

響君と一緒に仕事を頑張りたいな。
< 35 / 140 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop