朝の光をあなたと感じて
私たちの気持ち
観覧車に乗れる時間は夕方五時からだった。私たちは五時前に到着して、既に並んでいた人たちの後ろに並ぶ。

さらに私たちの後ろにも人が並んでいった。

ペアチケットなので、前も後ろも二人組ばかりだ。男女の二人組が圧倒的に多いが、女性の二人組もちらほらいる。

私たちの後ろは女性二人だった。その人たちの会話が耳に入ってくる。

「あーあ、予想してたけどさ、やっぱカップル率が高いね。独り身としては、つらー」
「まじで! 彼氏欲しいー。あ、でも、前の二人は兄妹じゃない? なんか距離があるし、年も離れているみたい」
「そうかもね。かっこいいお兄ちゃんで羨ましー」

私たちのことを話題に出した時の声は小さめだったが、しっかりと聞こえた。

カップルには見えなく、兄妹に見られるとは……つり合っていないと言われているようで悲しい。

私はデートだと浮かれているけど、純也さ
んは妹を喜ばせるために連れてきている気分なのかも。

そっと純也さんの顔色を窺う。

どんなふうに思っているのか聞いてみたい。純也さんは私の視線に気付いて、話しだした。

「凛花が妹だったら、一緒に観覧車乗ろうとしないよ」

彼も後ろの人たちの会話を聞いていたようだ。
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