センセイとわたしのただならぬ関係

第6章 告白、そして……

「梅谷……か?」
 深夜0時を過ぎたころ。
 仕事を終え、レストランの裏口から出てきた先生が、わたしを見て驚きの声をあげた。

 お台場からここまで約1時間。
 10時ごろに着き、それから約2時間、ここで待っていた。

「ごめんなさい、先生。こんな時間に尋ねてきて」
「どうした? 何があった?」
「親とやり合ってしまって、家に帰りたくなくて……先生をここで待ってました」

 先生はわたしの顔を覗きこみ、殴られた後がないことを確かめると、ほっと息をついた。
そして、ちょっと待ってろ、と言って店に入ってゆき、すぐ戻ってきた。

「店の車借りたから。家まで送るよ」

 わたしは左右に大きく首を振った。

「嫌です! 帰りたくない」
「あのな……」
 
 先生、呆れてる。
 でも、あたりまえだよね。
 恋人でもなんでもない、ただの教え子が夜中に職場に押しかけてきて、やっかいだ、と思わないはずがない。

「先生、怒ってる?」
「いや、怒ってない。でも頼むから、こんな無茶しないでくれよ」

迷惑をかけてるのに、先生の口調はとても優しくて、沈んでいたわたしの心は少し明るくなった。
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