午後2時のカフェオレモーニング
凛空は本当に久しぶりに湯舟に浸かった。
内湯から外に出て露天風呂に行った。そこは内湯より温度が低く、吹く風が顔にあたり、そして景色が最高でいつまでも入っていられる気がした。
― 気持ちいい。あー、最高・・・・・・・・・
あまりにも気持ちが良くてボーッとしていたら寝そうになり、あわてて風呂から出た。
部屋に戻るとすでにユリは戻っていた。
「ユリさん早いね。」
「私、お風呂早いの。実は水怖くてね。大きなお風呂もあまり得意ではないの。」
「アハハハハ、なんだか意外。ユリさんの弱点初めて知ったかも。」
「随分うれしそうじゃない。」
「だって何でも知ってて、なんか隙がないっていうか・・・だからちょっとうれしい。」
「意地悪だねぇ~」
「ハハハ。ねえ、じゃあ泳げない?」
「そう。この間も言ったけど、占いで水には近づくなって言われてから納得しちゃったのよね。」
「そうか・・・でも、占いって信じるの? 」
「あんまり信じたくないけど、なんとなく気になるかな。」
「へー。」
「神社に行くとついおみくじ引くでしょ。引かない? 」
「まず、神社に行かない・・・」
「そうか・・・今度行ってみようか。」
「失礼します。お昼お持ちしました。」
「・・・えっ?」
「凛空どうしたの?」
「・・・いや、あんまり綺麗だから・・・あの・・・」
「意外でした?」
「あっ、はい。いえ・・・すみません。」
「いいんですよ。正直なご意見ですよね。こんなオンボロの建物と似つかわしくないですよね。」
おかみさんはにこやかに凛空の驚きに対応してくれた。
「でも、温泉も最高だったし・・・食事も素敵だし・・・」
「あら、若い方にそう言っていただけて嬉しいです。あとは味ですね。ごゆっくりお召し上がりください。」
「なんか綺麗すぎてどこから食べたらいいのか・・・」
「女の子みたいなこと言うのね。」
「俺、綺麗なものは好きですよ。小さな器がカゴに入っていて綺麗・・・目で味わってから味覚か・・・」
「そうね。・・・さあ頂きましょうよ。」
「あーうまかった。なんかよくわからないものもあったけどみんなおいしかったです。」
「この時期は夏野菜の走りや、山菜だけど、秋はキノコがメインなのよ。」
「秋か・・・」
「ねえ、ちょっとおかみさんと話をしてくるからのんびりしていてね。」
凛空は窓の側にある籐のイスに座った。ゆったりとしたその椅子は身体の大きな凛空でも寛げた。