俺はずっと片想いを続けるだけ*2nd
いや、みっつやよっつや、言ってる時点でそれ初恋と違うからねと、言うのは止めた。
グレイスは真剣に言ってるのに、混ぜ返してはいけない。

「何度も言っていい?
 聞き飽きたかもしれないけれど、6歳の君が13の俺の初恋のひとで、これから先も君だけだと誓うよ」 

彼女の手を取り、俺の胸にあてた。
君が俺の心臓を欲しいと言うなら捧げる。
君は君のものだけど、
俺を君のものにして欲しいと言ったなら。
そんなモノ要らないと、君は逃げ出してしまうかな。


ボーイが来て、部屋の用意が完了したと案内してくれた。

メルローズが用意した部屋は最上階で唯一の部屋だった。
リビングのテーブルには、シャンパンとフルーツチョコレートの皿が並べられていた。
そして寝室のベッドの上には赤い薔薇の花びらが撒かれていた。


今より前へ進みたかった。 
だけど後ろに戻った気がした。

「少し眠ってもいいですか?」

「いいよ、夕食は早めに取ろう
 時間を気にしなくていいから、ゆっくり休んで
 俺はリビングに居るから」



俺もリビングのソファで眠ってしまった。
目が覚めて寝室へ行く。
思っていた通り、ベッドにはグレイスの姿はなかった。
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