俺はずっと片想いを続けるだけ*2nd
「ご自分のお身体なのにどう使えばいいのか、
 おわかりになっていない」

殿下の運痴を旦那様はそう評されました

「すこぶる頭は良い御方だから、全体のバランスが悪いんだな」

「今でも王宮のあちらこちらで小惨事を引き起こされているが、何故かご本人は打ち身だけで済んでいる」

「俺達は側近と言われているが、本当は見張り役かもしれない」

「俺の休暇中、イーサンは精根尽き果てて、入れ替わりに休暇を取った」

秘密とは、一旦口にしてしまうと。
どんどんぶっちゃけ始めるものですね。


「君の一輪車は素晴らしいね!
 披露宴で私からの手紙は読んでくれた?」

「で、殿下!
 一輪車よりも足の速さの鍛え方をお知りになりたいのでは?」

披露宴の一輪車って何でしょう?
割りと当たり障りのない御祝いのお言葉を殿下
からは、いただきましたけれど?

「申し訳ございません
 私理論的にご説明出来ないのです」

「え、そうなの?」

「そうなんです、ただ」

「…」

「大体、イメージして走っています」
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